演技は嘘じゃない。演技の下手な人がしている勘違い

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役者を目指している人の多くが思い悩む演技とはなんなのかと言う問題。
多くの人はそもそも演技というものを勘違いしているのです。

ドラマや映画や舞台はフィクションです。
その思い込みが演技を誤解させている大きな原因となっています。

 

 

演技というのは嘘と本当の割合で言うと、8割本当、1割嘘、1割演出です。

演技を言葉にすると言うのは本当に難しいのですけども、説明させていただくと映画やドラマや舞台の上というのは別世界の出来事だと捉えて欲しいのです。

たとえどんなに設定に無理があっても
舞台上ではそれが現実の出来事なのです。

だから、魔法もあるし、人だって簡単に死にます。

演技を志す人の多くは、結局は嘘をやっているんだと言う意識があるのです。
だから演出家とかに「嘘っぽい」と言われるんですよね。

嘘を本当にするのが「演技」であって、嘘を見せるのは嘘なんです。

簡単な話。
死体の演技をするなら、絶対に体を動かさないのは当たり前。
息も止める。
本当にそんな事が出来るなら心臓すら止めたっていい。

私はガールズバーでキャストとして働いていましたが、お客さんの前では女の子になっていました。

化粧もするし、男性と違った感性で話し、動きも女の子らしくする。
トイレも座ってする。

そこまでやっても、先が見えません。
何故ならば自分は結局のところ男ですからね。

ようは振りをするんじゃないんですよ。
うさぎの役が来たら、うさぎにならないと分かっててもうさぎになるんです。

ぴょんぴょん跳ねるし
ウンチは食べるし
寂しかったら死ぬ

その瞬間は、今までの自分を捨て去らなければ演技なんて出来ないんですよ。

それを如何に自分がやりやすくするかと言うために「役作り」と言う作業があるのです。

役作りに関してはまた別で言いますね。

では、姿形はどうでしょうか?
ある程度はメイクや衣装でどうにか出来るでしょうが完璧とは言えません。

だから、自分の気持ち・考え方をキャラに持っていくしかありません。

あなたは人を殺したいと思った事があるでしょうか?
絶対にありますよね。

でもその時、あなたは行動に移したでしょうか??

移さなかったですよね。
当然です。

でも、舞台上では行動に移していいんですよ。

台本に殺すと書いてあったから殺すのではありません。
自分のやっているキャラクターが「殺したいと思った」から殺すのです。

もう分かったと思われる方はご精進ください。

まだ分からない方。

あなたは何故ご飯を食べますか?
お腹が空いたからです。

じゃあ何を食べますか?
お財布には1000円入っています。

選ぶのはあなたです。

演技になると、道筋は決まっています。
お腹が空いた。
財布に1000円。

ここまでは同じ。
でも、ラーメンを食べなきゃいけない。

しかしあなたはラーメンの気分じゃない!
ここがもうおかしいのです。

あなたはその場面になるまでに、なにがなんでもラーメンを食べたいとならなきゃいけない。
キッカケはなんでも構わない。

多くの人が、本当はこんな事したくないと思いながら演技をします。
でもそれは本気じゃないですよね?

演技の本質は本気になる事なんです。
善行だろうが、犯罪だろうが
本気で事を成す事。

仮に台本で先の展開を知っていても、あなたのキャラクターはこれからどうなるかを知らずに行動しているのです。

演技の下手な人は、自分でいすぎているか、本気になっていない人です。

先に書いた演技の割合
本気8割は、状況や他の演者さんに向けて
嘘の1割は、自分に向けて
演出の1割は、観客に向けて

後は気持ちと流れ!

演じる事は嘘をつくことではありません。

殺すと心で決めた時、行動はすでに終了しているのです。

舞台だからと、どこかで嘘をついていては演技にはなりません。
逆に自分自身に対して、これは現実なんだと嘘をつくように仕向けるのです。

舞台上に居るのは自分じゃないけれども、そのキャラクターとして生活するくらいじゃないと分からないかもしれません。

私のように特殊な環境で、なにがなんでも女にならなければいけないような環境に身を置いてみるのが一番手っ取り早いでしょう。

演技は本気ですよ。

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